そうそう、私も高気密・高断熱の理屈は理解でき、尊重はしているのですが、それを最重点項目にしようと思ってないです。それよりも風通しのほうが大事。
まず、しっかりとした通風機能を確保した上で最大限の気密・断熱を考えたい。
　なのに、なにがなんでも気密・断熱を第一番の優先順位にしないとならないという御仁がいらっしゃる。自分の家のことならそれでいいのですが、他人の家の優先順位にケチをつけるのは納得いかんのです。
ウチみたいに一日の大半を閉じっぱなしにするのは冬だけという家庭では、高気密・高断熱機能がしっかり効力を発揮するのはだいたい一年の４分の１、多く見ても３分の１にすぎないのです。
その暮らし方を評して「我慢強いからだ」とか言われるのは心外。季節の変化を好きで味わっているんだと言いたい。
　なによりも高気密・高断熱でないと快適な家にはなりえないと言っている人間をみると、骨を抜いた魚の切り身じゃないと食べにくくてだめだと言っている人間と似たようなムードを感じます。
　こちとら、魚は骨の際の肉がうまいと知っているし、時に骨をしゃぶりたいのに、なぜその嗜好を認めないんだ、と。暑い季節だからこそ「涼む」楽しさがあるんだと。クーラーによってもたらされる以外の涼み方も知っていることを私は誇りに思っているのに。

実は最近、うちの建築家と改めてこの問題についてメールでやりとりしてるんですが（本当はそのやりとりをまるごとアップしたいくらいです）、殊、都市空間という視点で考えたとき、そこにはどうにもし難い大きなジレンマが生じてしまっているのではないでしょうか。
東京では風を通すことも出来ないような環境の地域までが存在している。
要するに東京の魚は骨の際も皮のまわりも大して味の違いのない養殖魚とでも言いますか。。

一応最近はクールビズだとか言って環境への関心も出て来てはいるようですが、この問題は都市計画レベルから見直していかないと、内さえよければ外はどうでもいい宇宙ステーションみたいな家がノコノコ建って行きかねない状況ではないかと思います。

m-louisさん、どうも。

私がイキドオっているのは、立地条件に言及する前から、気密・断熱・・・と始めてしまう方々のことです。

私も東京に暮らしていましたから、通風機能なんてどうでもいい環境があることも知っております。だからこそ、高気密・高断熱という手法が支持を集めているのもわかるのです。ただ、私のところのような地方にまで一律にその考え方を持ち込むのは乱暴だと思っておるのです。とにかく高気密・高断熱にしときゃあいいんだ、というような主張は他の要素についての吟味をなまけさせるような気がしています。

garaikaさん、ども。
それは確かにイキドオってもおかしくないですね！
信仰が思考抜きに地方に流布されてるようなもんでしょうか？
しかし、私も「うちの建築家（笑）」もイキドオっていたのは東京の環境についてでした。朝妻さんも書かれてますが、「住宅の良し悪しを性能や数字でしか判断しない」というのは半分は役所のモノ考えずに責任回避しようという体質に負うてる部分が大きいと思います。少なくともドイツのように行政がもっと「考える」ことに手抜きしなければ、ここまでのジレンマにはならなかったと思うんですよね。
そうやって考えると小泉の自爆がどう作用するのかは、若干可能性のあるところなのかもしれないと興味深く見ています。

明日から妻の実家に帰省です。
妻の実家、造反組の顔でもある亀井さんのお膝元に今年春から合併されちゃったんですよ。騒がしくなってるんだろうか？──といっても「涼む」楽しさの100％味わえるとこなので、そちらを堪能してくるつもりです。

分かっていらっしゃるような、時にこんな人と家造りをしたいと思うような事を書かれている建築士の方でも、実際の建築に関する理解が乏しい事ってやっぱりあるのですね。

高気密・高断熱は、断熱性能は高い方がうれしいのはさておき、断熱をすることによって生じる内外温度差による壁体内結露の防止と、窓を締め切った状態での計画換気の為に気密を上げる必要がある、というものです。

壁体内結露の防止は、壁面の性能そのものですから、家全体の気密性とは実は直接的な関係がありません。つまり、窓が多かろうが少なかろうが、壁体内結露を防止する為には、その壁面の気密性能が重要になります。もちろん壁の断面側（開口部側）から壁内への気密性も考慮する必要がありますが。

次に計画換気ですが、これは冬場等、窓を締め切った時に空気が滞留しないように、かつ室内の汚れた空気を最低限排出できるように、という思想のものです。窓を開けた時の事は考えないのが普通です。計画換気をするには下手に隙間風が入ってきては困るので家全体の気密性が高い必要があります。

ですから、窓を開けたら風のとおりがばっちりで、通風の良い家と、窓を閉めたときに計画換気がきっちり出来る気密性の高い家、は両立するものです。窓を開けたら気密もへったくれも無いんだから高気密は意味が無い、は単なる高気密への拒絶反応です。一年中朝も夜も無く窓を開け続ける家なんてありません。窓を閉めたときのことと、窓を開けたときの両方での快適性を考えるのが、どこがおかしいのでしょうか？

最初に書いたような印象を受ける建築士さんだったのに・・・がっかりしました。ショックです・・・。

がんくんさん

はじめまして、朝妻です。
コメントありがとうごうざいます。

簡単に言い分けさせて頂きます。

高気密・高断熱が悪いとはこれぽちも思っていません。

私が言いたいのは、
優先順位についてです。

まずそれがありきではなく
自分たちが望んでいる家の姿明確に出来上がって、そのためには何が必要なのか考えて、
その上で高気密がそれをかなえるものなら
是非取り入れればいい。
『よくわからないけど、なんかみんながいいって言うから』
って感じ方がしばしばいらっしゃるの事実です。
それは順番が逆じゃないかな？
そう思ってのエントリでした。
言葉が足りず、誤解がありましたようで
申し訳ありませんでした。

この場にてお詫び申し上げます。

「窓を開けて風を通したいのに、高気密を望む。」といった、優先順位はともかく、問題なく両立する要望（要望の次元が違いますから。あちらを立てるとこちらが立たない要望では無いですよ。）に対して、そんなことを望むなんて矛盾していて変だ！みたいな事を頭ごなしに言う、言わないまでも常日頃考えている、というのが悲しいのです。

こういう要望をする施主さんは、朝妻さんには変な要望していると思われるということです。施主さんがどんなに熟考の上で出した要望であっても。

考えが合わないなら別の人を、と良く口にされる方が居ますが、途中で別の設計士さんと1から打合せをしていくのは施主にとってかなりの負担だという事を考えると、それは「だから私の言うとおりにさせてくれ」という脅し文句にも聞こえるものです。

がんくんさん
再コメントありがとうございます。

＞考えが合わないなら別の人を、と良く口にされる方が居ますが、途中で別の設計士さんと1から打合せをしていくのは施主にとってかなりの負担だという事を考えると、それは「だから私の言うとおりにさせてくれ」という脅し文句にも聞こえるものです。

だからこそ、私は今の仕事をしています。
家づくりでもっとも大切なことのひとつに
パートナー選びがあります。

私の勉強不足で不愉快な思いをさせてしまいましたこと、大変申し訳ありませんでした。
お詫び申し上げます。

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